ミルクティー
私達は手を繋ぎながら、お互い何も話さないでモミジの下を歩く。

モミジがヒラヒラ落ちる。


―――――桜みたい。



「そこのお2人さん、仲が良さそうでいいのー。
兄ちゃん、彼女は大切にしろよ。
はっはっはぁー」


知らないおじいちゃんが私達に話しかけてきたと思ったらそそくさ行ってしまった。


『兄ちゃん彼女は大切にしろよ』




たぶん


兄ちゃんって海斗だよね。

じゃあ彼女って…私?




「俺達付き合っているって思われたね」


「ホントだね。
けど、どうしてだろうね?」


「たぶん、これだよ」


そう言って私達の繋がれている手を上にあげた。


「手を繋いでいたからか!」


「付き合っていないのに手を繋いでいるっておかしいのかな?

俺は雛那ちゃんが転ばないようにって手を繋いでいるのに」



「えへへ///
ありがとう」


「今日だけ雛那ちゃんは俺の『彼女』になる?」



えぇー!

海斗の彼女に…

そりゃ海斗の特別になりたいって思っていたけど…

彼女だなんて…

急すぎだよ〜




「そんなに考えないで。
ちょっとした冗談だから」


なーんだ…

冗談だったんだ。



本気でもよかったんだけどな。

今日だけでも…



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