ミルクティー
「雛那ちゃん、お鍋かき混ぜてくれる?」


「はーい」



私はカレーのお鍋をクルクルかき回す。

やっぱり私にあまり包丁とかは使わしてくれなかったけど



「楽しいね」


「お鍋かき混ぜることが?」


「うん、楽しい」


「そっか、俺も楽しいよ」



海斗と一緒に出来るなら私は何でも楽しくなる。

今までだってそうだ。


苦手だった英語も毎日勉強出来たのは海斗がいてくれたから。

つまらないって思っていた事が楽しくなる。



「雛那ちゃん腕疲れない?変わろうか」


「ううん、大丈夫だよ」


「疲れたら言ってね、変わるから。

俺、皿取ってくるから」


「はーい」



リビングの方から3人の楽しそうな声が聞こえてくる。

私の家族はみんな揃ってご飯を食べる事は昔から難しかった。



今もそれは変わらない。

だから騒ぎながらの食事って結構憧れる。


私の家族もこうやって騒いでご飯…

食べたいな。






< 257 / 353 >

この作品をシェア

pagetop