ミルクティー
その人はちょっと後ろを振り向いて私の姿をとらえ、優しく話しかけてくれた。



「おいで」


その人はゆっくり手を差し出してくれた。

私はその手にひかれるように近づく。


1歩づつ…その人の近くへ。

私が隣に来ると小さな私に目線を合わせてくれた。


「雛那ちゃん、キレイだよ」


白いタキシードに身を包まれているその人。


「海斗もカッコイイ…」


表に出るまでは不安で不安で仕方がなかった。

けど私の目に海斗が映ったらその不安は一気に


消えた。



「じゃあ俺に合わせてゆっくり歩いてね」


「はい…」



私は海斗の指示どうりに歩く。

私達は腕を組んで


ゆっくり


1歩づつ

前へ…



隣に海斗がいるだけで安心して歩ける。


そしてどこからか聞こえてくるピアノの音。


私達は真ん中辺りまできて海斗が突然歩みを止めた。

私は斜め上を見上げると海斗がニコッと笑ってくれた。







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