ミルクティー
そこには空イッパイに星が広がっていた。



「海斗はこれをみせたかったの」


「そっ、キレイでしょ?」


「うん♪」



さっきまでちょっと?ムスッとしていたけど…この星空をみたら、許せちゃった。



「寒くない?大丈夫?」


「ぜーんぜん♪大丈夫」



右手に繋がれている海斗の左手。

そこから伝わる海斗の温もり。

寒くなんてない。


けど―――…



「嘘つき。
左手は冷たい。
寒かったら言ってくれればいいのに」


「寒くないもんっ」



繋がれていない私の左手は寒さで冷えきってしまった。

そっと伸びてきて私の左手を捉えた海斗の右手。



温かい。



「俺の手、温かいでしょ」


「うん…どうして?」


「秘密はこれっ」



そう言って海斗の右手はコートの中にいき、そこから出てきたのは…



「あっ…手袋」


「そっ
さっきまで手袋をはめていたんだ」



納得。

けど気付かなかった。

暗かったしね…



ん…

手袋?………手袋。




あぁー!


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