ミルクティー
「雛那チャンどうしたの?」


「陸こそ、どうしたの?」


「俺は海斗に頼まれた物を取りに来たんだよ。

雛那チャンは?」


「えーっと…」



チョコを渡しに来ました!と言えばいいのだけれど…

ちょっと恥ずかしい。



「もしかして、海斗に『チョコ』を渡しに来たの?」



私はコクンと頷いた。



「けどね、海斗がいないの。ビックリさせようと思っていたのに…」


「あー海斗は今大学」


「大学なんだ…」



だったら居ないわけだ。



「雛那チャンさぁ、そのチョコ、海斗に渡しに行こっか♪」


「いいの?」


「もちろん」


―――――…



そして陸に連れてきてもらった大学。

目の前には海斗がここに居ると教えてもらったドアがある。

これをノックすればいいのだけど…



緊張する。


このドア1枚は私と海斗の距離だとおもう。


私はずっとドアの前に立ったまま。



けどノックもしていないのに勢いよくドアが開いたい。



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