ミルクティー
「雛那は夕ご飯まで時間があるから海斗君に家に行ってきたら?ご飯出来たら呼ぶから…」



え…

いいの?


海斗は今、自分の部屋に居る。


私の家まで海斗に車で送ってきてもらった。

車から降りる時に



「何かあったら部屋においで。

今日はずっと部屋にいるから」



そう言っていた。

だったら…



「お母さん、私海斗の所に行ってくるね」


「気をつけてね♪」


「ダメだ!!」


「どうして?お兄ちゃん」


「海斗の家に行く位なら俺と一緒にいよう。

久し振りにピアノを弾いてあげるから」


「え…ピアノ?」


「和弥はダメ。
お母さんと一緒に夕ご飯の準備」


「遠慮します」


「5年振りに帰って来て、そんな事言うの?」


「……手伝わしてもらいます」


「よろしい。
じゃあ雛那は海斗君の家に行ってきなさい。
出来たら呼ぶから、携帯は忘れないように」



やっぱりお母さんは強い。

お兄ちゃんを簡単に黙らすことが出来る。

私には絶対無理。


―――――――…


「いってきまーす」


私はいつものように外へ出る。


海斗に会うために。




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