ミルクティー
帰る時に海斗が私に教えてくれた。



「明日からまた会えないと思うんだ」

ちょっと寂しい知らせ。

けど…



「寂しくなったら電話でもかけてきてくれていいから」


「うん、大丈夫」



『雛那ちゃんを優先するよ』

この言葉を聞けたら、

満足だ。


私って海斗に大切にされているんだなぁ~と…

よくわかる。






「雛那ー、今日は卒業式でしょ?早く降りてきなさーい!!」


お母さんの声が響いてきた。


今、この家には私とお母さん、お父さんで住んでいる。

お兄ちゃんは大学近くのアパートに住んでいる。


なんでも「家から通うのはちょっと…」と言っていた。

その理由は「マスコミが家まで押し掛けてきたら大変だろっ?ははは…」と…


お兄ちゃんは5年間でマスコミまで注目それるようになっていた。



けどちょくちょく家に帰ってくる。




今、私達家族は動き出してきた。

お父さんは相変わらず帰ってこない日などあるけど、休みの日は4人で過ごす事が増えた。




こんな日常。


海斗に出会った頃は考えもしなかった。


けど、私達家族を海斗が変えてくれた。

海斗、ありがとう。





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