ミルクティー
「陸。
お前の荷物全部捨てるぞ」

「えっ・・・
それは困る」


・・・荷物?
2人の会話はまだ続く

「お前の為に毎回送られてくる茶葉、もぅいらないって電話しとくかなぁ〜」

「あと未桜にチクるか」

「あー
わかった。
わかったから、さっきはすいませんでした」

「わかればよろしい」


また知らない事が出来た。
『未桜』って誰?


そっかそうだよね。
私と海斗が出会ってまだ1ヶ月―――
海斗と陸はもう何年も一緒にいる。
私とは違う。
さっきまで温かい感じがどんどん冷めていく。
繋がれている右手だけが温かい。


「雛那ちゃん?
疲れちゃった」

「ううん
大丈夫だよ。
早く大学内を案内してよ」
首を横に振る。
私は2人に心配させないように明るく振る舞う。


「じゃあ出発!」

陸の元気のいい掛け声で遠足・・・じゃなくて見学が始まった。


< 39 / 353 >

この作品をシェア

pagetop