ミルクティー
私はずっと海斗に言いたかったことがある。


「海斗、あのねこの間の期末テストの結果なんだけどね中間より上がったの。
勉強教えてくれてありがとう」

「どういたしまして。
中間は講演会と重なっちゃって勉強する時間があまりとれなかったからちょっと心配だったけど期末で挽回できてよかった」


海斗はミルクティーを淹れてくれた。
私好き。
海斗の淹れてくれるミルクティー。


「それでね英語が中間より10点も上がったの」

「今回は頑張ったもんね」

「あと、数学も上がったし古文は思ったより出来たの」

「うん」


海斗はニコニコしながら聞いてくれる。
嬉しい。
お母さんは私の話なんて聞こうとしない。
会いたくないみたいだしね。
お父さんは忙しくて会わない。
もう1ヶ月位会っていないような気がする。


「雛那ちゃんの家族って3人家族?」


海斗が突然聞いてきた。
今まで海斗に私の家の事を話した事がない。


「違うよ、4人家族。
お母さんとお父さんとお兄ちゃんと私」

「お兄さんはいくつ?」

「今年で20歳」

「じゃぁ大学生か…」

「…うん」

海斗はこれ以上聞いてこない。
たぶん私の顔がいつも違うから。
お兄ちゃんの事を話すと私の家族の事も話す事になってしまう。


人前では仲の良い家族を演じている私の秘密。

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