ミルクティー
海斗はいつの間にか私の隣に来ていた。
ゆっくり背中をさすってくれる。
そしてゆっくり口を開いた。


「何か、あるんだね」


私は首をゆっくり縦に振る。



「聞いて、くれる?」


「うん、ゆっくりでいいからね」

海斗は優しくほほ笑んでくれた。
私はまた感じた。



ポチャン
1滴また入っていくのを。



「あのね…」



私はゆっくり話し始める。





忘れもしないあの日の事を。
12歳の冬。







あの日からだ。
私達の家族がバラバラになっちゃったのは。







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