ミルクティー
春野 和弥(ハルノ カズヤ)
これがお兄ちゃんの名前。
雛那 小学6年生
和弥 中学3年生
お兄ちゃんとお母さんは進路の事で1年間ずっともめていた。
お母さんは【桃咲高校】に進学して欲しい。
けどお兄ちゃんは県外の全寮制の高校に進学したがっていた。
学校で何回も話し合ったり家でも話し合っていた。
その頃のお父さんは今より家にいる数が多かった。
お父さんはお兄ちゃんの進学にはあまり興味がなくいつも
「お前の好きなようにしろ」
としか言わない。
私はまだ小学生。
お兄ちゃんが居なくなってしまうのが寂しくていつも
「お兄ちゃん行かないで。
お家にずっといてよ」
と言ってお兄ちゃんを困らせていた。
私の顔を見ると「大丈夫」と言って頭を撫でてくれた。
けどその年の冬にお兄ちゃんは居なくなった。
それは私がいけない。
「俺は桃咲にはいかない」
「どうして県外の高校にこだわるの?
桃咲でも音楽は勉強できるじゃない」
「俺は桃咲ではなく県外の高校でやりたいんだ。
そこじゃなきゃ出来ないことなんだよ」
今日もやっている。
私は自分の部屋にいる。
2階まで聞こえてくる2人の声。
怖い。
怖い怖い怖い―――
早く昔みたいに仲良くなって欲しい。
これがお兄ちゃんの名前。
雛那 小学6年生
和弥 中学3年生
お兄ちゃんとお母さんは進路の事で1年間ずっともめていた。
お母さんは【桃咲高校】に進学して欲しい。
けどお兄ちゃんは県外の全寮制の高校に進学したがっていた。
学校で何回も話し合ったり家でも話し合っていた。
その頃のお父さんは今より家にいる数が多かった。
お父さんはお兄ちゃんの進学にはあまり興味がなくいつも
「お前の好きなようにしろ」
としか言わない。
私はまだ小学生。
お兄ちゃんが居なくなってしまうのが寂しくていつも
「お兄ちゃん行かないで。
お家にずっといてよ」
と言ってお兄ちゃんを困らせていた。
私の顔を見ると「大丈夫」と言って頭を撫でてくれた。
けどその年の冬にお兄ちゃんは居なくなった。
それは私がいけない。
「俺は桃咲にはいかない」
「どうして県外の高校にこだわるの?
桃咲でも音楽は勉強できるじゃない」
「俺は桃咲ではなく県外の高校でやりたいんだ。
そこじゃなきゃ出来ないことなんだよ」
今日もやっている。
私は自分の部屋にいる。
2階まで聞こえてくる2人の声。
怖い。
怖い怖い怖い―――
早く昔みたいに仲良くなって欲しい。