ミルクティー
そんな事が1年間ずっと続いていた。
そして入試を1週間前に控えた冬に日。


私はお兄ちゃんとお母さんがもめている所に居合わせてしまった。


「何がいけないんだよ。
向こうは寮だからご飯だって大丈夫だから」

「そう言うんじゃなくてなんで15歳で家を出なくてはいけないんだって事」

「俺は向こうで勉強したい」

「桃咲だって変わらない」

「変わる。
あそこの方が俺に合っている」




「お母さん!」

私はいつもより大きな声で呼ぶ。
ここでこんな事言わなかったら、私が居なかったら…

「もう…やめてよ。
お兄ちゃんの好きなようにさせてあげようよ」


言ってしまった。
本当はお兄ちゃんに行って欲しくない。
けどお兄ちゃんがやりたいって言った事はやらせてあげたい。
小学生の私が最大にできる事。


パシーン



叩かれた。

「雛那はお母さんの見方だと思っていた。
けど、お兄ちゃんの肩を持つんだね。

もう、知らない。勝手にして」


お母さんは部屋から出て行ってしまい自分の部屋にこもった。
お兄ちゃんは私の頬をゆっくりさすってくれる。

「雛那、ありがとうな。
お兄ちゃん頑張るから。
向こうに行っても連絡するから」

「…うん」


最後にそう言ってお兄ちゃんは荷物を持って家を出ていった。



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