ミルクティー
ここまで私は海斗に話した。
海斗はずっと私の背中をさすってくれていた。
時々優しく相づちを打ってくれる。



「雛那ちゃんはお兄ちゃんの事が好きなんだね」

「…うん」

「お母さんは?」

「お母さんは…
好き。
けど寂しい」

「その気持ち。
お母さんに伝えてみようか?」

「…」

お母さんは私の事が嫌いだと思う。
だから全然会ってもくれないし、話もしてくれない。

「お母さんは私の事嫌いだよ」

「そんなこと無いよ。
雛那ちゃんの事が大切なはずだよ」


本当かな?

「毎日、ご飯があるでしょ」

「うん」

「それが証拠」

ご飯?
机の上に置いてあるけど…


「お母さんは雛那ちゃんとどう向き合っていいかわからないだけだと思うから大丈夫。
何かあったらまたここにおいで」

「…うん」

そう言われて私は1回家に帰った。
家の前まで海斗に送ってもらう。
別れ際に

「大丈夫」

って言って私の頭を優しく撫でてくれた。




海斗。
私、怖いよ。
本当にお母さんに嫌われちゃったら…


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