お姫様の憂鬱

あたしの声は相当小さかったのか王子には聞こえなかったっぽい

「・・・」

王子は何の反応も無くて
そのまま顔をあたしから空に移した

「・・・」

あたしから何か言うわけでも無くて

「・・・・・」

結局訪れたのは沈黙だった


沈黙、沈黙、沈黙・・・



「つまらない」


とうとう沈黙に耐えられなくなって
口を開いたのはあたしだった


別につまらなかった訳じゃない
ただ沈黙がなんか嫌だっただけで
話すことがなかったから
適当に言ってみただけなんだけど


王子は優しいから

「ん~、つまんないかぁ」

『何かすることすること』


ってあたしのために考えてくれる








だから、ダメなのに



こういうのが



ダメなのに




普通だったら



考えて・・・くれる?



あたしの、ために




あたしなんかの、ために・・・











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