お姫様の憂鬱


そしてその日からあたしは公園によく行くようになった


そういえばその時はまだ、自動販売機は無かったな

公園に行くのは決まって学校の帰り
ベンチに向かって走った
ベンチに座ると考えて考えて
そして泣いた・・・


考えがまとまって落ち着いたときには
お母さん達が離婚してから1ヵ月ほど経っていた


その日からは公園にはあまり行かなくなったけど
たまに、悲しいことがあると行くようにしていた


あたしが家じゃなくて公園で泣いていたのは
無意識のうちに
お母さんの前で泣かないようにしていたからだと思う

一番悲しいのはお母さんだから
自分は精一杯笑っていようと思っていたからだと思う



だからあたしは家では笑った
たくさん面白いことを言って
たくさんお母さんを笑わせて
そして自分も笑った


表面上だけでもいいから
前のように楽しい家であってほしくて
お母さんにも笑って欲しくて

だからあたしは兎に角がんばった

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