神様のシナリオ
まあ、現実に戻り……。
工藤は、ぽーっとしていた。
たぶん、イッチーが呪文を唱えたときに、手から出た光線が直撃したからだろう。
あの光線はなんなんだ……。
「イッチー、質問してもいいかい?」
「いいわよ」
「さっきの光線は何?」
「癒すのよ。ヒトの歪んだところを、私の力を使ってね」
で、癒された結果がアレなのか。
心此処にあらず、といった感じだ。
「イッチー、大丈夫なの?アレ」
「大丈夫よ。ヒトの歪んだところを癒しただけだから。これでクドゥーンは、正常なヒトへと戻ったわ」
本当は無闇に使っちゃいけないんだけど、とイッチーは付け足した。
工藤は……、目が異常に澄んでいる。
ギラギラしてた瞳から、濁点が取れてキラキラになっていた。