神様のシナリオ
その3
それから(イッチーが人間界にいると言いやがった日から)は、毎日が悔しいほど楽しかった。
イッチーがいるという安心感というか……って、うわ、僕のキャラがおかしい。
僕はもっと頭がおかしかったはずなのに。
……なんだろう、自分で言っておいて、すごく悲しくなってきた。
「ニノミン、今日は転校生が来るそうよ」
ちなみに、イッチーは最近、僕の所属している教室に居着くようになった。
間違っても、僕の教室とは言わないよ。
だって、僕の教室じゃないからね。
「しかも、噂ではかなりの美少女らしいわよ」
「ふーん」
「あら、興味なし?」
「ボクニハ、イッチーダケダカラサ」
「そのわりには棒読みなのね。……まあ、気持ちは受け取っておくわ」
キーンコーンカー(以下略)。
チャイムが鳴ったのに、隣のクラスのイッチーは動かない。
「イッチー、帰らなくていいの?」