愛の言葉
第一章*はじまり
このときは知らなかった。
まさか…こんなにも親しくなるなんて。
こんなにも欠かせない必要不可欠な存在になるなんて。
小嶋佐月((こじまさつき))。
現在、中1が終わり、春休み。
暇で暇で仕方なく、両親も仕事だった。
そんなとき…家の電話が鳴る。
(誰…?)
そう思って、表示された名前を見ると…大嫌いな人の名前。
菅野夏美((すがのなつみ))。
小学生のとき、お互いに浅はかだったせいではぶったり、喧嘩をしたりして傷つけあった。
とくに…あいつは最低だったと思う。
だけどきっと傷つけた回数は私のほうが多い。
だからこそ、中学では避けてたし、向こうも学校に来てなくて都合がよかったけど…急に何なの?!
そんなことを思いながら無視すると、また電話。
あいつだ…。
しかたなく電話に出る。
『…もしもし?』
『もしもし?!なんででねぇ~の?!』
うわ、きれてる。
こいつのこういうのが嫌なんだよ…。
『ごめん寝てたあ~…』
『なんだそれぇ♪かわいいなあ♪』
は?
出た、急に機嫌直るこいつの癖…。
ほんと上げ下げ激しいよね…。
かったるい奴…。