愛の言葉
「付き合ってるの…すきなの!正輝のこと!」
思考回路がとまった気がした。
なにをいってるかわかんなかった。
つきあってる?
正輝と夏美が?
「ごめんね…今までいいたかった…けど正輝に口止めされてて…だけどもう限界なのっ…」
夏美がいった「崩れる」。
それは夏美がつくった「仲間同士では恋愛をしない」というものがあったからだと思う。
でも今になったら分かる。
夏美は、私が正輝を好きになることが怖かったんだよね?
だからそんなきまり作ったんだよね?
私が悪いんだ。
こんなに追い込んだのは私。
だけど…分かってるけど…衝撃的すぎて頭がついていかなかったの。
本当に、目の前で泣く夏美を見つめて、一緒に涙を流したけど…だけどそれだけ。
私の心は、夏美の病気のことも正輝と夏美の関係もほぼ受け入れることができてなかった。
こんなことってありえるものなの?
わかんない…。
「とりあえず…今日は帰りな?もう遅いし…送っていけないから気をつけてね?」
「うん…ありがとう」
夏美の笑顔はすごくすっきりしてた。
すっきりしてたけど…私はかわりにもやもやしてた。
このもやもやの理由に気づくのはもう少し後のこと。
その日は、あまり寝心地がよくなかった。