愛の言葉
第四章*気持ち
やっぱり、私たちは毎日遊んだ。
でも、もやもやが晴れることはなくて。
私はあの日から、正輝の自転車に乗らなくなった。
すごく落ち着きがあった。
安定があった。
だけど…なんだかいちゃいけない気がした。
夏美が乗るかと思ったけど、夏美はせっきーのところに乗っていたから、正輝は一人。
ずっと夏美と正輝をそういう目で見てしまう。
せっきーは知らないんでしょ?
稲ちゃんは知ってるんでしょ?
なんで…平然としてるの?
仲間だなんだっていいながら…せっきーだけ知らないじゃない。
正輝だって、私と稲ちゃんが知ってることを知らないんだよ?
こんなの…なんかおかしいよ。
そう思うのは…私だけ?
「佐月~元気ないね!どうしたの?」
「や…ちょっと考え事っ」
「さすがまじめ担当~」
「まぁね~!」
稲ちゃんにからかわれ、すかさずハイテンションを装う。
夏美…なんで笑ってるの?
隠し事してるのに。
ルール違反してるのに。
わかんない。
私の居場所は…本当にここ?