愛の言葉
『てかどうしたの?』
私は、即座に話題を摩り替える。
『ああ~今暇あ?!』
『え…なんで?』
『いま杉と2人なんだけどさ!一緒に遊ばない?!』
『えっ…杉って…杉谷?』
『そうそう!』
杉谷正輝。
同じ学校で隣のクラスだった。
結構不良で…たぶん、ウチの代で頭はってくと思われる男子。
背も高いし、いかついし…一応しゃべったりするけど。
別に親しくないんだけどな…。
『うーん…でも…私別に仲良くないし』
『大丈夫!杉もいいって言ってるし!』
『……そうなの?』
『そうだよぉー!俺、こいつと2人とかまじきもいし!お願い!』
受話器の向こうで、杉谷の声。
『はあ?!っせんだよ!』
…夏美も不良なんだよなあ…。
ま…いっか。
『じゃあいいよ。どこいけばいい?』
『今から佐月んちいくよ!』
『えっ…わかった』
電話が切れる。
も…なんでこーなるの?
今思うと不思議でたまんない。
なんで私…OKしたの?
正輝が困ってたから?
暇だったから?
…きっとそれもあるけど…。
たぶん、引き寄せられてたんだ。
運命に。