愛の言葉


結局その日、ひたすら語るだけだったけど盛り上がった。


「正輝と佐月、なんか似合う~」


そんなふざけた夏美の言葉にドキっとする自分。

私…もしかして…?


「てか、夏美メイク濃くない?!」


とっさに話題をかえる。


「そう?」

「そうだろ!ケバいし!俺ケバいの嫌い!」

「私もあんま好きじゃないかな~」

「ひっど!」


笑いながら言った。


「佐月はメイクしないの?」

「ん~…持ってるけど…」

「え!メイクみたいみたい!」

「似合わないし!」


正輝の見たい発言に驚く。

けど結局…その場で促され、夏美にメイクしてもらった。

といっても、まつげをあげてラインを引くだけ。


「…どぉ…?」

「似合う似合う!」

「そうかなあ?」

「ケバくないしね」

「ははったしかに」

「菅野の横だと余計だよなあ」

「あ~…そうかも!」

「佐月かわいぃ~」


夏美の甘ったるい声。

でも、正輝の「似合う」がなにより嬉しかったんだ。


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