いつかきっと
「お~圭太、いらっさい」

「…………」

「どしたの?」

「……いや」

無事亮の家に到着し、インターホンを押して待っていると程なくして亮が出てきた。

ソーダ味のアイスを咥えて。

…いや、俺が一瞬固まったのはそこじゃない。

俺がツッコミたいのは……

「お前、なんでパンツ一丁なわけ?」

小学生ならまだしも、高校生の男子がトランクス一丁で玄関開けんなよな。

「いいじゃんよー暑いんだし?」

それに大事なとこはちゃんと隠してんだしさ。なんて言っている。

…そういう問題じゃねーだろうが。

「と、とにかく入るぜ」

そう言って玄関のドアを素早く閉めた。

いや、なんとなくそうした方がいい気がして…。

「おい、ちゃんと服着ろよ」

階段を上りながら、前を歩く亮に言った。

「え~なんで!」

「いいから! 頼むから着てくれ…せめて下だけでも」

俺は部屋に入り、後ろ手でドアを閉めた。

「へいへい」

まだブツクサ言っていたが、ようやくTシャツとジャージの短パンを履いてくれた。

ふぅ~、これでひとまず安心だ。

野郎のあんなの見たってコッチは何もおもしろくねーんだよ。

あ? 何が見えるって?

お、おおおお前らは知らなくていいことだよ!!

…それから俺らは、ゲームをしたり、漫画を読んだりして時間を潰していた。

気づくと太陽は沈み始め、辺りは僅かに薄暗くなっていた。










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