いつかきっと
「で、どーするよ?」

来たはいいが、これといってすることもなく……

これで勉強とか言い出したらどーすっかな?

「うーん…どうしよっか?」

腕を組んで考える。

「圭太はどうしたい?」

そこで俺に振るなよな。

まぁ聞かれたからには何か答えねーと。

「そうだな~俺は……寝る!!」

最近寝不足だし、晩メシまで寝るか…

「そっか、じゃぁあたしの部屋いこ?」

「おう」

さすがに居間で堂々と寝るわけにはいかねーよな。

もうすぐ親父さんも帰ってくるだろうし。

てなわけで――…




香絵の部屋。

何回も言ったけど、ここ入んのも久しぶりだな。

俺は部屋の中をぐるりと見渡す。

薄いピンクのカーテンに同色の布団や枕の乗ったベッド。

机の上には小物や学校の教科書などが綺麗に並べてある。

これぞ女子の部屋という感じだ。

「ちょっと、あんまりジロジロ見ないでよ」

俺の視線に気づいたらしく、香絵が言った。

「わりぃ、わりぃ」

軽く謝りながら床に腰を下ろして寝そべった。

ひんやりとしたフローリングが肌に触れて心地がいい。

やっぱ夏っていったらこうして寝るのが一番だよな~

「あたし、冷たい飲み物取ってくるね」

そう言って部屋から出て行った。

トントントン……

階段を下りる規則正しい足音が遠ざかっていく。

それを子守唄のように聞きながら俺はゆっくりと瞼を閉じた――
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