ありがとうって言いたくて。
「望月さん、私に何か用?」
私は、頬杖をついたまま見上げた。
「健(タケル)くんがいなくなったから、寂しいんじゃないの?」
ニコニコしながら話してくる望月さんに、私は少しイラっときた。
「なんで?」
私は望月さんから少し目を逸らした。
「だって、好きだったんじゃないの?」
望月さんが、私の何を知っているのかわからないけど。
私の席は窓際で日当たりがいい。風も気持ちいい。
カーテンが揺れ、私の顔の前を通り過ぎる。
「諸星さん?」
私は途中で窓の外を見ていた。
「あ、ごめんなさい」
私は、慌てて頬から肘を外した。