ありがとうって言いたくて。
冷やかされることは、よくあった。
私は君と一緒にいたかったから。
私は1人で、脳内を駆け巡っていた。
望月さんのことをすっかり忘れながら...。
「諸星さん?」
望月さんの声で、私はやっと我に返った。
「ふぇっ?!」
驚きのあまり私は、微妙な声を出してしまった。
「あ...」
私は慌てて、右手で口を押さえた。
すると、望月さんはクスクスと笑った。
それはやがて、ゲラゲラの笑いに変わった。
「ちょ...ごめっ」
望月さんは笑いを堪えれないみたいで、私に途中まで謝りかけた。
「いや、いいよ」
私は微妙に微笑みながら、頭をかいた。
そして、また空を見る。
窓越しの空は少し、灰色に光り、
でもほんのり暖かい日光が私たちを照らしていた。