ありがとうって言いたくて。
巡る。
廻る。
回る。
季節が巡る。
世界が巡る。
君がいない教室にひとり、私は立っていた。
窓の隙間から冷たい風が、私の傍を通り過ぎた。
心底から、君が好きだったんだ。
そんなことを感じながらため息をした。
誰もいなくていいから。
君がいてくれるだけで私は・・・。
そう思ったけれど、一瞬で思うのをやめた。
「・・・どうして?」
振り返ると、そこにいたのは
「望月さん」