キミを想うトキ

静まりかえった広い部屋で
飴玉男はアルバムを開き、めくり始めた






何アルバムなんか見てるのよ…


真剣に話す気なんかないじゃない!




「これ。」

一向に話を始めない態度に苛立っていたあたしに
何枚も写真が並べられたアルバムを開いて見せた飴玉男





そこにはまだ少し幼さが残る飴玉男と


そして女の子が写っていた





「これが何。」


「この子、見覚えない?」



え……?

飴玉男が指差す先に写る女の子を見つめて
あたしはある事に気が付いた




この子……



それは確かに、あの時見た女の子だった



飴玉男が抱きしめていた
泣いてる女の子





まさに
あたしの苛立ちの原因




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