キミを想うトキ

「俺の妹。」

「え……?」


妹―――……?





「ビックリした?」


何も答えないあたしから
アルバムを奪い、更にめくり始める




「これが、去年の写真だから今に一番近いかな。」


再び見せられた写真には
私立中学の制服に身をまとった女の子





「妹……居たの?」

「うん。実はね。」



立ち上がり、ティーカップに紅茶を注ぐ飴玉男の後ろ姿



罪悪感がフツフツと溢れだす



「似てないでしょ?」


湯気をたてる紅茶をあたしの前に置いた飴玉男は
ソファーに腰をかけて笑った




「血、繋がってないんだ。」


「え………?」



その言葉に
あたしは息が詰まる




飴玉男はティーカップを置いて
再び口を開いた


< 104 / 259 >

この作品をシェア

pagetop