キミを想うトキ
背中に飴玉男の視線を感じる
どうしよう
また明日会えるのに
寂しくてたまらない
大きな寂しさがあたしを包んで
目頭が熱くなる
その時―――…
「すいません。行って下さい、運転手さん。」
その言葉に
運転手は扉を閉めて再びエンジンをかけて走り出した
捕まれた腕が熱い
「ごめんね、帰りたかった?」
そう言って飴玉男はあたしの顔を覗き込む
あたしは黙ったまま首を横に振った
「やっぱもう少し一緒に居たくて。」
白い歯を惜しみなく出して笑う飴玉男
今が夕方でよかった
あたしの顔は茹でダコのように真っ赤で
涙を堪えてる顔を
きっと夕焼けが上手く隠してくれてる