キミを想うトキ
「ご飯食べようか♪」
「うん。」
長いエスカレーターを上り
最上階まで来たあたし達は
たくさん並ぶお店で立ち往生
「これだけあると悩むねぇ。」
ちょうど夕食時で
どこのお店も混んでいる
「ここでいいんじゃない?」
一周して見て回ったお店の中で
あたしは一番安いお店を指差した
「ラーメン?そんなのでいいの?」
「いーの!さ、入ろ!」
お財布の中が寂しいあたしは
飴玉男の腕を引きながらお店へと足を踏み入れた
「また何か気にしてるでしょ。」
「何が?」
あたしと飴玉男の前にグラスに注がれた水が並ぶ
「奢るのにぃ。」
「借りを作るのは嫌なの。」
そう言ってメニューに目を通すあたしに
「桃ちゃんって変わってるよね。笑」
そう言って笑った