キミを想うトキ

「さ、帰ろっか♪」



そう言ってあたしの荷物を持ち
廊下を歩き出す飴玉男を追い掛けた



いつの間にか一緒に帰るようになったあたし達



約束を交わした訳じゃない

当たり前のようにいつも一緒





だけどあたし達は



まだ付き合ってない





「桃ちゃん、カバンが珍しく重い~。何入ってるの?」


下駄箱で革靴を履きながら
そう言う飴玉男の背中に


「教科書。」
即答で返した



「教科書!?あ、期末かぁ。」


隣に並んで歩くあたし達は
他の生徒を追い越してながらバス停へ向かう



生徒達の間では付き合ってると言われてる




「あんたは勉強しなくて大丈夫なの?」


「わかんな~い。別に気にしてなかったなぁ。」



何よそれ……




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