キミを想うトキ

ねぇ


何で来てくれないの?



約束したじゃん


指切りしたじゃん!



「ねぇ~…」


「うるさい!!」




あまりのしつこさと
飴玉男に約束を破られたイライラが募って



あたしは声を荒げる





約束したのに!



その時―――……





バンッ!と大きな音と共に


夜空に浮かんだ光





観て居る人達が
大きな歓声をあげた





花火を見上げたあたしの頬を


涙がつたって溢れた





「どいて。」


二人組を押し退けて


あたしは来た道を戻り出す




「待ってよぉ!」


そう言って一人の男があたしの手を引いた




「ちょ、ちょっと!やめてよ!」


花火の音が響いて
あたしの声は虚しく宙をさ迷い
誰も気付いてくれない



やだ……


嫌だ!!!





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