キミを想うトキ
確信
「桃ちゃん!帰ろ♪」
「う、うん。」
放課後、教室まで迎えに来てくれた飴玉男
いつもの事なのに
あたしは橘さんが気になって仕方なかった
「どしたの?」
なかなか席を立とうとしないあたしに
飴玉男が顔を覗き込んだ
「あ、ううん!帰ろ帰ろ!」
橘さんは背を向けたまま男子と話をしてる
飴玉男の事を
気にしてる様子は見られなかった
何だ……やっぱあたしの気のせいか…
安心したあたしは
立ち上がってカバンを持ち飴玉男を追い掛ける
「沖村さん!」
ドキ!!
呼び止められたあたしは
ゆっくり振り返った
「バイバイ、また明日ね。」
気のせい…
じゃないみたい。
「また明日。」
そう一言だけ返し
あたしは再び背を向けて歩き出した