キミを想うトキ
「てか橘さんって…誰?」
「へ?」
意外な答えに
見事に間抜けな声が出た
「俺、そんな知り合い居ないけど。」
付け足すようにそう言った飴玉男に
あたしは一気に力が抜ける
何だ……
よかった……。
例えば
橘さんが飴玉男の事を好きだとして
でも接点がなければ近付く事は出来ない
彼女は見るからに大人しそうで
恋愛の一つもした事ない
そんな印象
うちの学校は
男子が8割を占めてるから
女の子自体が貴重な存在で
それに加えあんな素朴な子が来たら
バカな男共は群がる
不安になった自分が情けなくなった
「あ。そう言えばさぁ。」
思い出したように口を開いた飴玉男に
あたしは視線を横に向けた