キミを想うトキ
雨音が静かに校舎を包んで
突然、教室の扉が開いた
その姿に
あたしは急いでポケットに紙切れを突っ込んだ
「沖村さん、サボり?」
「ま、まぁ。」
「じゃああたしもサボればよかったぁ。」
そう言ってあたしの席の前に座る橘さん
千絵と目が合った
「ねぇ、沖村さん!」
突然立ち上がり
振り向いた橘さんは
ニコニコとうざったい笑顔を振り撒いてあたしに尋ねた
「昨日、市ヶ谷くん何か言ってた!?」
「……別に。」
そう返事をしたあたしに
そっかぁ。と落ち込んだ様子で椅子に座り直した
何だかこの場に居たくなくて
あたしは千絵の腕を引いて教室を出た