キミを想うトキ

ゴクリと息を飲み込んで
あたしは口を開いた




「つ、付き合ってないけど両思いなの。


一応……。」




声が震えていたかもしれない



張り詰めた空気を先に破ったのは
橘さんからだった




「でも付き合ってないんでしょ?」


「そ、そうなんだけど……」




意外にもケロっとした橘さん



「両思いなのに付き合ってないって意味がわかんないよ。」


「それは……」





確かにそう…なんだけど!



「杏華、諦めるつもりないよ?」


あたしの心を見透かすように
サラっと笑顔で答えた




何なのよ…この子…




「それじゃ、教室戻るね♪」


橘さんは肩まで伸びた髪の毛をなびかせながら


あたし達の教室へと戻って行った




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