キミを想うトキ
「何なの……。」
「桃……。」
あたしは黙って
水を含んだ重たい制服を拾い上げ
洗面所で力いっぱい洗った
「千絵、ごめんあたし帰るね。」
一通り洗い終えた制服を
ビニール袋に入れた
「あたしも帰るよ!」
そう言った千絵に
あたしは首を横に振る
「大丈夫、こんなの気にしてないから。クリーニング出しに行きたいだけ。」
「でも……」
「大丈夫!!」
遮るように言葉を重ねたあたしに
千絵は「わかった」と言ってくれた
そんな千絵に手を振りあたしはジャージ姿のまま帰路に着いた