キミを想うトキ
“学校戻って来なよ!待ってるから!”
そう言った千絵からの電話は切れて
終話音が響いた
視界の端で
濡れた制服が映る
『大好きだよ、桃ちゃん。』
笑う飴玉男
『あたし諦めないから。』
強い眼差しで言った橘さん
『待ってるから!』
心配してくれる千絵
色んな事が頭を巡って
あたしは立ち上がった
飴玉男!
部屋に掛け上がってクローゼットを開けた
もう一つあった制服を取り出して着替えたあたしは
携帯と定期だけを握りしめ
走り出した