キミを想うトキ
幻想
走って
出来るだけ早く走って
ぼやける景色の中に
校舎が見えた
「桃!」
「千絵……」
昇降口で待っててくれた千絵
あたしは倒れるように座り込んだ
「桃、こっち!立って!」
あたしの腕を引いて歩き出す千絵に
もつれる足を懸命に立たせて
連れて行かれるまま
歩いた
「やっぱり橘さんだったんだね。」
「え……?」
「桃に嫌がらせしてたの。」
千絵も気付いてたんだ……
これまでの数々の不思議な出来事を
橘さんに繋げれば
一つになる