キミを想うトキ
結局一日中
千絵と二人屋上でサボって
誰も居なくなった放課後
あたしは一人
こっそりと下駄箱へと向かった
はぁ……
明日学校休もうかなぁ…
無意識のうちに大きなため息が出て
自然とうつ向き加減
その時―――…
「桃ちゃんッッ!」
下駄箱から聞き覚えのある声があたしの名前を呼ぶ
ガコッ!
振り返ったあたしは
驚きのあまりローファーを床に落としてしまった
「あ、飴玉男……何…してんの…」
「桃ちゃん待ってたに決まってんじゃん!」
なつっこい笑顔で
飴玉男は当たり前のようにそう言った
「あ、そう。」
あたしは冷たくあしらって
落としたローファーを手に取り履き出す