キミを想うトキ


大した会話も交わさないまま

時間だけが無情に過ぎていく




気がつけば
灰色の雲が空を染めて

ポツリポツリと雨粒が地面を濡らしていた





「雨、降って来ちゃったね。」


大きな窓から見上げた空は
淀んだ空気を少しずつ作り出している




まるで
あたしの心を映してるみたいに……





「ねぇ、外、行かない?」


重たい空気に耐えかねたあたしは
無理に笑顔を浮かべて飴玉男に提案した




「外って……雨降ってるよ?」


「いいじゃん、別に!あたしプール行きたいな♪」



躊躇する飴玉男の腕を引いて
部屋から見えるプールを指さした




「ね?行こ!」


そう言ってあたしは飴玉男の腕を引いたまま
部屋を飛び出した



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