キミを想うトキ
20歳
「「乾杯ーッッ」」
グラスとグラスがぶつかり合う音が響いて
あたしは目を細めた
「久しぶりだねぇ。」
「本当、久しぶり。」
千絵の言葉に
あたしは笑いながら答えた
大学を終えたあたしは久々に千絵が一人で暮らすアパートに足を運んだ
高校卒業して一人暮らしを始めた千絵の部屋には
こうして時々遊びに来ている
「2ヶ月振りくらいだっけ?」
「うん、そのくらいかな。」
お互い夢を追い掛けて進んだ大学に忙しい日々が続いて
なかなか会えなかった
「高校の時はいつも一緒だったもんね~。」
「ね、楽しかったよね。」
台所に立つ千絵の後ろ姿に
ふと高校時代を思い出した