キミを想うトキ
GW
「じゃーん!!」
「何それ。」
雨の日から3日
相変わらず暇さえあればあたしの元へ来る飴玉男は
今日は一段とご機嫌らしい……
「何って温泉だよぉ!」
「だから温泉が何よ。」
開かれた旅行雑誌に浮かれ気味の飴玉男とは反対に
あたしは全く興味を示さない
「ここ、見て!」
飴玉男が指さすページに
真っ赤なマジックで大きな丸印
「予約取れちゃったぁ~♪」
そう言ってあたしの10cm目の前でピースサインを作る
「行ってらっしゃい。お土産、宜しくね。」
そう言ってあたしは机に伏せた
「違うでしょ!?そうじゃないでしょ!桃ちゃんと行く為に予約したのッッッ!!」
「はぁッ!?」
伏せていた顔をあたしは勢いよく上げた