キミを想うトキ

あたしは普段、黒や紺や暗い色ばかりを好んで着てる

正直、白とか明るい色は苦手だ




「桃ちゃんはスタイルすごくいいのに勿体無いよ。」


そう言ってあたしが突き返したワッフルガーデを元の場所に戻す飴玉男



その背中には哀愁が漂ってて
あたしは思わず飴玉男の腕を掴んだ





「じゃ、じゃあ…試着だけ、してみる…。」


「うんッ!絶対似合うから!」

あたしの言葉に満面の笑みを浮かべて
飴玉男は再びワッフルガーデをあたしに手渡した



似合うのかよ、本当にぃ。


飴玉男が選んだワッフルガーデに袖を通しながら
あたしは何故か緊張していた




< 56 / 259 >

この作品をシェア

pagetop