キミを想うトキ
繋いだ手
「え~ッ、最悪ぅ!」
買い物を終えて
外へ出たあたし達を待っていたのは
冷たく空から降り注ぐ大粒の雨
「あれぇ?今日は晴れのち曇りって天気予報で言ってたのに…」
「その天気予報、大ハズレね。」
大雨の街に
二人して足踏み状態
「そういえばこの前も雨じゃなかった?」
見上げたあたしの瞳に真っ黒な夜の空が映し出される
「あんた、飴玉男じゃなくて本当は雨男?」
からかうあたしに飴玉男が視線を向ける
「な、何?」
怒った……?
真っ直ぐな飴玉男の瞳に
あたしは何故か目を逸らせずにいた
その時―――…
「桃ちゃん、走るよ!」
「え?ちょ、ちょっとッ!!」
突然あたしの手を掴んで、どしゃ降りの街へと走り出した飴玉男