キミを想うトキ
雨で視界がぼやける
「ちょっと…!ねぇッ!どこッ…行くの!?」
あたしの手を握ったまま走る飴玉男に
途切れ途切れに尋ねた
「もう少しだから!」
「はぁ!?」
言葉の意味がわからなくて
あたしは引っ張られまま飴玉男の後ろを走る
走って走って
ひたすら走りまくって
着いたのは閑静な住宅街
はぁはぁはぁ……
もうダメッ!
呼吸が思うように出来なくて
すごく苦しくて
喉の奥がカラカラ
あたしは思い切り腕を振りきった
足が止まるあたしと飴玉男
「ったく……はぁ…一体何なの…?」
乱れる呼吸
びしょ濡れの髪の毛
雨を含んで重たくなった洋服
あたしは膝に手をついて
息切れする呼吸を整える