キミを想うトキ

雨で視界がぼやける


「ちょっと…!ねぇッ!どこッ…行くの!?」



あたしの手を握ったまま走る飴玉男に
途切れ途切れに尋ねた



「もう少しだから!」

「はぁ!?」


言葉の意味がわからなくて
あたしは引っ張られまま飴玉男の後ろを走る






走って走って

ひたすら走りまくって


着いたのは閑静な住宅街



はぁはぁはぁ……


もうダメッ!

呼吸が思うように出来なくて
すごく苦しくて
喉の奥がカラカラ


あたしは思い切り腕を振りきった



足が止まるあたしと飴玉男


「ったく……はぁ…一体何なの…?」

乱れる呼吸
びしょ濡れの髪の毛


雨を含んで重たくなった洋服



あたしは膝に手をついて
息切れする呼吸を整える
< 60 / 259 >

この作品をシェア

pagetop