キミを想うトキ
まるで博物館のようなこの家は
あたしの視界にはとても収まり切らない
「とりあえず風邪ひいちゃうからお風呂、入って来なよ。」
挙動不審なあたしに語りかける飴玉男
その顔はいつも学校で見せていた飴玉男とはまるで別人で
あたしは促されるまま浴室の扉を開けた
「な、何ここ……」
浴室へと足を踏み入れたあたしは
あまりの光景に言葉をなくした
大きなガラス張りの浴室から
さっきまでいた街が一望出来るドでかい窓
10人程入れそうな浴槽には
ミルクのような入浴剤と薔薇の花びらが浮かんでる
「ここにタオルあるから適当に使って。着替えは後で何か持って来させるね。」
テキパキと話す飴玉男は
一通り用件を伝えると浴室から出て行ってしまった