キミを想うトキ

「どこ行きたい?」


「祝ってくれるんでしょ。あんたが決めてよ。」



誕生日当日

あっという間に一週間は過ぎて
あたしは飴玉男といつものバス停にいた



真っ青な空に
白い飛行機雲が線を描き出す


絶好のデート日和



「桃ちゃんが行きたいとこじゃなきゃダメだよ!今日の主役は桃ちゃんなんだから!」


そんな事言われてもねぇ……


特にやりたい事も
行きたい所もなくて
あたしは黙り込んだ



「ないの?行きたい所。」


「……うん。」


あたしの言葉を聞いて飴玉男が
うーん。と唸り出す



暫く考えてた飴玉男は何か閃いたように口を開いた


「遊園地!遊園地行こう!」

「ゆ、遊園地!?」

「うん!最近出来たじゃん!やだ?」


そう言ってあたしを覗き込んだ飴玉男との距離10cm


近すぎッ!

「わかった、遊園地ね!」


あまりの至近距離に思い切り顔を逸らして背を向けた


もぉ、調子狂う……


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