キミを想うトキ
頂上を越えた観覧車は地上へと下降し始めていた
「ねぇ、桃ちゃん。」
「なぁに。」
いつの間にか繋いでた手のひらを
飴玉男が強く握った
「もう一回、しよ?」
あたしはその言葉の意味を理解して
うつ向いたまま頷いた
「桃ちゃん、うつ向いてちゃ出来ないよぉ。笑」
そう言って笑う飴玉男は
頬に手を添えてあたしを上に向かせた
もうあたしの視界は飴玉男でいっぱいで
徐々に近づく唇に
今度はちゃんと目をつむった